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書籍

杉村太郎、愛とその死

杉村太郎、愛とその死

創刊25年、累計発行部数156万部、いまも新卒大学生のための就職ガイドブックとして、ロングセラーをつづける就活のバイブルといわれる「絶対内定」。

著者の杉村太郎は慶応大学卒業後、住友商事に就職、バブル期には友人の伊藤洋介と「シャインズ」を結成し、秋元康のプロデュースで歌手として活躍した。
その後、学生の就活塾「我究館」、ユニークな教育方法で知られる語学コーチングスクール「プレゼンス」を創設した。ハーバード大学ケネディスクールを優秀な成績で卒業した英才だったが、2011年8月、いまから五年前、原発不明癌という希少がんで無念の死を遂げた。

波乱に満ちた人生だった。 彼のその闘病生活の内実はこれまでほとんど語られていなかったが、じつは7年にわたり、手術4回、抗がん剤投与5回、放射線治療30回、という壮絶なモノだった。医師から突然の癌を宣告され、このままでは余命数ヶ月、五年生存率一けたパーセントと告げられたとき、彼はノートの余白に「がんになってよかったと思える人生を送りたい」と書き綴って、死の影におびえながら、心を奮い立たせて、必死の闘病生活を生き抜いた。

絶望的な状況のなかでなお、生きる希望を捨てなかった。 著者の杉村貴子は、太郎の11歳年下の妻、幼い愛児を育てながら、夫の闘病生活を支えた。この本を読んだほとんどの人が、夫婦愛、家族愛に感動し、彼ががんと闘う姿を哀惜して、涙を流しながら読んだといっている。 生きることに悩んでいるすべての人に読んでもらいたい一冊だ。

出版社: 河出書房新社
発行年: 2017/1/18
著者: 杉村 貴子 (著)
定価: ¥1,760 税込